武蔵國に國府が置かれると、宮乃咩神社の境内に大國魂神社も総社として創建された。
太陽神信仰からして大國魂神社も本来は南向きにすべきだが、宮乃咩神社があったため、構造上やむを得ず北向きとなったのであろう。
やがて全国の太陽神を天照大神に統一する流れと共に、日巫女は秘され、脇役であった大國魂神社が主役となる。
時の流れとともに日巫女は忘れ去られていったが、大國魂神社の一ノ宮は小野神社のままであり、かつ、千木・鰹木を始め、日巫女の痕跡が数多く残っている。
現在、宮乃咩神社は西向きであるが、仮に風土記や旧事紀が正しければ、かつての故郷伊勢を見守っているのかも知れない。
(1120枚目)